裁判の前に、まずは財産調査から

いくら請求しても知らん振りだった相手が、裁判を起こせば支払ってくれる場合があります。

裁判所からの郵便が、内容証明郵便よりも強力なインパクトになって、心理的な不安感が増し、反省したりあきらめる気持ちが出るからです。 また、裁判手続きの内容によっては、相手方にも書面の提出や裁判所への出頭要請がありますから、そういう面倒な作業を嫌って支払いに応じてくるわけです。

しかし、裁判手続きを行ってもお金を支払わない人もいます。裁判所からの郵便も無視して受け取らない人がいます。悪意を持って受け取らない人もいますし、 裁判所からの郵便を怖くて受け取れない人もいます。(受け取らなければ逃げられると思っているのです。)

そういう人の場合は、裁判に勝って、いくらいくら支払えという判決をもらったとしても、お金を払ってもらえることは期待薄です。

実際、お金のない人からお金は取れません。

お金を支払ってくれない理由は、@お金がないから A不満があるから Bケチまたは詐欺師だから(お金はあるけど支払いたくない)のどれかでしょうが、 お金がなくて逃げ回っている人からの債権回収というのは、非常に難しいことだと思います。

もちろん、そういう人でも、今お金がなくても、何年か後にはお金を持っているかもしれません。例えば、就職したり、親の遺産を相続する場合もあります。ですから、債権回収をあきらめないのであれば、請求をし続けること、財産調査を継続することです。

また、裁判を起こして勝訴判決を得れば、(裁判上の和解、調停、支払督促の確定などでも)、債権の消滅時効は10年に延びますから、今、債権回収は無理でも、とりあえず裁判等をやっておくという考え方もあるでしょう。

※ 通常の時効は、債権の種類によって異なりますが、例えば、売掛金の時効は2年です。それが、裁判をやることによって、判決確定日の翌日からさらに10年に延びます。
(債権の消滅時効期間については、前ページ「債権の消滅時効と時効中断の方法」参照)


では、お金があるのに支払ってくれない場合はどうでしょうか。

お金があるのに支払ってくれない人に対しては、勝訴判決を得れば強制執行することができます。相手の財産を公権力でもって強制的に差し押え、金銭を徴収するのです。 しかし、この場合は、相手に財産があることを自分で調査しなければなりません。差押えして欲しい相手の財産を裁判所に申告しないと強制執行してもらえないのです。


以上のように、内容証明郵便でだめだった場合、次の手段は裁判手続きですが、この場合、裁判手続きで終わりにするのか、それとも強制執行までやるのかという問題があります。

@内容証明郵便ではだめだったけど、裁判手続きの効果によって支払ってくれるかもしれないことを期待して、とにかく裁判手続きをやってみるという場合や、A債権の消滅時効が間近に迫っているので 時効を中断するために裁判手続きをするという場合、あるいは、B確定判決を得て時効期間を10年に延ばしたいからやってみるという場合もあるでしょう。また、C相手が引越しをして所在不明になる前に、 とにかく確定判決を得ておこうという場合もあるでしょう。

このような場合は、相手に財産があるかどうかわからなくても、とにかく裁判手続きをやってみるということになります。 または、相手に財産がない場合は、今、お金がなくても、将来お金が手に入って支払ってくれるかもしれない可能性、強制執行(差押え)できる可能性に期待して、時効の中断や確定判決により時効期間を10年にしておくわけです。

しかし、とにかく相手に今すぐ支払ってもらいたいと考えている場合は、お金のない人を相手に裁判を起こすことほど無駄なことはありません。

お金のない人は、裁判手続きをしたからといって支払ってくれることは期待できませんし、裁判手続きをして、それでも支払ってくれなかったら 次は強制執行となりますが、お金のない人からは強制執行もできません。

ですから、裁判を起こす前に、相手に財産があるかどうか調べることが必要になります。 また、相手がお金を持っている場合でも、相手の具体的な財産がわからなければ、やっぱり強制執行はできませんから、 裁判を起こすのなら、まずは相手の財産調査から始めないといけないのです。



 強制執行(差し押さえ)の種類 〜不動産執行・動産執行・債権執行〜







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